まぁ、それはともかく…このEP、Z. ベルゲルター単独名義での音源としてはおそらく唯一のもの。これ以外の彼らの音源となると…オムニバス・アルバムの『NG』('86)と『DEAD TECH SAMPLER』('86)に、それぞれ収録曲があるぐらいで、その後彼らの音源がまとめてCD化された形跡もないようです。CHU(石川忠)さんが現在、塚本作品の音楽で国際的にも高い評価を受けていることを考えると、これはとても残念なことです。
ドイツ語で「打つ」とか「叩く」という意味をもつ「SCHLAGEN」は、文字通りドラムスとメタパーのコンビネーションが生み出すビートが強烈。終盤では、電動工具(チェーンソーか!?)とメタパーによる音圧が凄まじいです。でも、意外とダンサブルな曲。方や「DIMENSION」のほうは、「SCHLAGEN」以上にメタパーがリズム隊の根幹を成している感じ。いろいろな金物(と言っても、鍋とかやかんじゃないです)が打ち鳴らされて、硬質で無機質でありながら、アップ・テンポでノリの良いビートが心地よい曲です。
ところで、Z. ベルゲルターについては、「ソフト・バレエの前身バンド」として言及されているのをよく目にするのですが…それって、ホントのところはどうなんでしょうか…!? 少なくともソフバの藤井麻輝さんが一時期在籍していた…という説は、あながちデタラメでもなさそうです(ただし、ソースはWikipediaほか)。とは言うものの…個人的には、Z. ベルゲルターと言えば、あくまでCHUさんとNEUさんが中心的なメンバーで、他のメンバーとなると……というのが、率直な印象です。実際上記の音源で、CHU(Per、B、etc.) & NEU(Vo&Per)両氏のほかにクレジットされている名前を見ても…『NG』で「Hidemi K.(G)、R. Maeda(Ds)」、『DEAD TECH〜』で「Iida(Key)、Nagasawa(G)」…とあるように、お二人以外のメンバーについては、かなり流動的であったことが窺えます。しかも、今回取り上げたEPに至っては、メンバーについてのクレジットすらない状態…。まぁ、そんなわけですから…仮に藤井さんが参加していたという事実はあったとしても、それをもってソフバの「前身」とか「母体」とか言ってしまうのは、かなり無理があるんではないかなぁ…という気がします。
さすがにベルゲルターの画像は見つかりませんでしたが…YBO2時代のCHUさん&NEUさんのお姿(下の写真)を…。それにしても…Internet Archiveとは…。本当に一つの時代が終わってしまったんだなぁ…と、改めて実感させられてしまいました…(>_<)
■ZEITLICH VERGELTER 『SCHLAGEN/DIMENSION』
(TRANS RECORDS/TRANS-04/1985年/現在廃盤)
[SIDE A]
・SCHLAGEN
[SIDE ONE]
・DIMENSION


