まずは、簡単にストーリーから…
主人公のジキル博士(J. バリモア)は、ロンドンで貧しい人々のための診療所を営む、無欲で清廉潔白な科学者。彼は診療の傍ら、肉体と精神の関係を科学的に解明すべく、日夜研究に明け暮れていました。ある日、酒場で踊り子(ニタ・ナルディ)に誘惑されたジキルは、自分の中に一瞬卑しい心が芽生えたことを自覚し、衝撃を受けます。彼はその日以来、卑しい心だけを分離して、別の体に移すことはできないか…という研究に没頭するようになるのでした。そして、実験によって完成した試薬を飲むことで、彼は一時的に、粗暴で本能の赴くままに行動する、「ハイド」というまったく別の人格を出現させることに成功します。しかし、次第にハイドの人格がジキルの心を支配し始め、元の人格に戻ることができなくなっていくのでした…。
「ジキルとハイド」を映像化した作品がたくさんあることは知っていましたが…今回IMDbで改めて検索してみたらば、なんと40件近くも見つかって…ビックリ…\(◎o◎)/! まぁ、その中でも、特に評判が良いものと言えば…フレドリック・マーチがアカデミー賞・主演男優賞を受賞した'31年の作品と、今回ご紹介するこの『狂へる悪魔』でしょうネ。とにかく、J. バリモアの演技が凄まじいです。
帽子をとると尖った頭。薄くなった頭頂部に、乱れた長い髪。そして、節くれだった手に、長い指…と、確かに薄気味悪いハイドの容姿なのですが…さすがにCGはおろか、特殊メイクの技術さえ十分に発達していなかった時代の作品だけに、やはり今の目で見てしまうと、造形的に少々物足りないかなぁ…という感じは否めません。でも、その物足りない部分を、バリモアの演技力が見事にカバーしている感じ。白眼を剥いた陰険な目つきや、口元に浮かべた下品な笑いは、特殊メイクの拙さを補って、ハイドの醜悪さをうまく表現しています。しかも、元々のジキル(というか、素顔のバリモア)が知性的で端正な顔立ちなぶん、ハイドになった時のギャップが、また一段と際立っていますネ。まぁ、髪を振り乱して、のたうち回りながらジキルからハイドへと変身するシーンなんかは、彼の演技がオーバー・アクション気味で、ちょっとわざとらしいかなぁ…という気もしないではありませんが…(^-^;) このあたりは、サイレント作品特有の演出…ということなのでしょう。
J. バリモアと言えば…『悪魔スヴェンガリ』('31)もおススメなのですが…『スヴェンガリ』も、この『狂へる〜』も、残念ながらなかなか良いソフトに恵まれていないのが現状ですねぇ…。まぁ、かなり古い作品ですし、おまけに500円ですから、そもそも画質をとやかく言うこと自体がナンセンスなのかもしれませんが…。だからと言って…紀伊國屋さんに『クリティカル・エディション』とかで出されても、高くてちょっと手が出ないでしょうけどネ…(^-^;)
■狂へる悪魔 (DR. JEKYLL AND MR. HYDE)
・1920年/アメリカ
・監督: ジョン・S・ロバートソン
・製作: アドルフ・ズーカー
・脚本: クララ・S・ベレンジャー
・原作: ロバート・ルイス・スティーヴンソン
・キャスト: ジョン・バリモア、ブランドン・ハースト、マーサ・マンスフィールドほか
YouTubeで、こんなの見つけちゃいました…。
あぶらだこの「ど宴会錦」なんですが…そもそも「初音ミク」である必要があるのかと…(^▽^;)
…とは言っても、今回は異例のレンタル先行でのリリースとなったため、既に全巻レンタルでご覧になった…という方も少なくないハズ。実は私も…先日地元の「TSUTAYA」で旧作落ちしていたので(つーか、コレって「新作」か!?)、ようやく最後まで通しで観ることができました♪ まぁ、私のように、当時それほど真剣にハマっていたわけでもない…という、「ほどほどのファン」にとっては、特典映像や音声解説etc.にこだわらない限り、レンタルでも十分かなぁ…という感じです。
まずは、簡単にストーリーを…
舞台は…カナダとの国境に近い、アメリカ北西部の田舎町、ツイン・ピークス。のどかな景色が広がるこの町で、ある朝、ビニールにくるまれた女性の遺体が発見されます。被害者は、地元のハイ・スクールに通うローラ・パーマー(シェリル・リー)、17歳。同じ頃、州境を越えた線路上で、同じハイ・スクールに通うロネット(フィービー・オーガスティン)が、暴行され放心状態となっているところを保護されます。同一犯による広域犯罪の可能性が高まったことから、FBI特別捜査官デイル・クーパー(カイル・マクラクラン)が派遣され、捜査にあたることに…。しかし、捜査が進むにつれ、誰からも優等生として慕われていたローラが、見かけとは裏腹に、実はドラッグやセックスに溺れていた事実が浮かび上がってきます。また、ローラの死をきっかけに、一見のどかに見えたこの田舎町では、複雑に絡み合った人間関係を背景にして、人々が次第に「裏の顔」を覗かせ始めるのでした…。
放映当時は…「チェリー・パイ」にも、「ジョージア」の缶コーヒーにも、見向きもしなかった私ですが…今回改めてじっくりと観てみると、やっぱりハマりますネ、これは♪ 全巻まとめてレンタルしてきて、一気に観てしまいました…(^-^;) いや…当時もちゃんと見てはいたのですヨ。いかにもデイヴィッド・リンチ…といった感じの意味不明な雰囲気が至るところに漂ってる、こういう作品って…やっぱり好きですし。でも、ヘソ曲がりの私ですから…リンチが関わってる作品があれほど一般ウケして、世間にもてはやされてる…っていう事態が何となく「異様に」思えて、ちょっと冷めた眼で見ていたんですよねぇ。だって、リンチと言えば…まぁ、世間一般では、「『エレファント・マン』('80)の監督」という認識だったのかもしれませんけど…私にとっては、やっぱり『イレイザー・ヘッド』('77)や『ブルー・ベルベット』('86)の印象があまりにも強烈で…。あくまで理解不能で不条理な世界を描く、一般受けするにはほど遠い存在…みたいな認識だったのですヨ。だから、あのブームには、正直ちょっと乗れなかったっす…。
さまざまな伏線が幾重にも用意周到に張り巡らされ、複雑に絡み合った人間関係と人々の思惑が徐々に明らかになっていく1stシーズンは、緊迫感漂うサスペンス・タッチの展開にグイグイ引き込まれてしまうほど。ただ、クーパーが「チベット」云々…とか言い出すあたりから、徐々に不条理な空気が漂ってきて、ちょっとついていけないなぁ…と思い始める人も出てくるんではないでしょうか。で、例の「レッド・ルーム」のあたりまできちゃうと…純粋なサスペンスだと思って見ていた人は、さすがに呆気にとられて脱落してしまうと…(^-^;) まぁ、この「レッド・ルーム」のシーンといい、賛否両論ある意味不明な最終回といい…こういう超現実的で理解不能なところがリンチ作品の魅力なんだと言ってしまえば、それまでなんでしょうが…。でも、やっぱりフツウの感覚の人にとっては、まるで「( ゚д゚)」ですよねぇ…。
…というワケで、その「レッド・ルーム」のシーンを…
最後の「寝グセ」に注目♪
…ていうか、笑いをとるところがいちいち細かい…(^▽^;)
物語に意味不明なところはあるものの…個性の強すぎる登場人物(丸太おばさんとか、『壁の中に誰かがいる』のキ○ガイ夫婦とか…)や、ところどころに盛り込まれた独特のユーモア・センスは、やっぱり魅力的。もちろん、アンジェロ・バダラメンティの音楽も、文句なしに素晴らしいです。デイヴィッド・ドゥカヴニーやリンチ自らもユニークな役で出演していることでも知られている本作ですが…今回改めて見直してみて、ウィンダム・アールにチェスの駒にされてしまうパンクスが、実はテッド・ライミ(サム・ライミの弟)であることを初めて知りました(恥)。結構意外な人物が出演してたりするところも、このシリーズの魅力でしょうか…。
あっ、「2ndシーズン」、「ゴールド・ボックス」と同時に、劇場版の『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最後の7日間』('92)も、廉価版DVDとして再発予定だそうです♪ 個人的には、ボウイ様が出てることもあって…こっちのほうが好きかも…。
まずは、ストーリーから…
フランケンシュタイン男爵(P. カッシング)の助手を務めるハンス(ロバート・モリス)は、顔に大きなアザのある酒場の一人娘、クリスティーナ(スーザン・デンバーグ)と恋仲にありました。しかし、ハンスはある日、店内で彼女をからかった不良達と乱闘騒ぎを起こし、彼らにケガを負わせてしまいます。逆恨みした不良達は、クリスティーナの父親(アラン・マクノートン)を殺害し、その罪をハンスに着せてしまいます。濡れ衣を着せられた彼は、裁判の結果、断頭台に…。しかも、その瞬間を目の当たりにしたクリスティーナは、ショックのあまり川に身を投げて、自らその命を絶ってしまいます。フランケンシュタイン男爵は、「肉体が死んでも、精神は滅びない」という持論を立証するため、二人の遺体を手に入れ、クリスティーナの死体にハンスの魂を移植する…という恐るべき実験に着手します。男爵の手によって蘇ったクリスティーナは、別人のように美しい女性として生まれ変わるのですが…。
男爵さまが「怪物」ではなく、「美女」を創り出す…という異色作。生まれつき体に障害をもち、顔の醜いアザに苦悩する娘を、非の打ち所のない美女にしてしまう…なんて、今まで人の為になることなんか何一つしてこなかった、非情な男爵さまらしからぬ心温まる(!?)お話です♪ クリスティーナ役を演じるS. デンバーグは、元プレイメイトなんだとか。その類まれな美貌と巨乳(↓写真参照)を武器に、ハンスに罪を着せた不良達を次々と篭絡し、復讐を遂げていきます。
ちなみに、このスチルは…佐藤有文先生の『世界妖怪図鑑』でも紹介されていたもので、個人的にも結構懐かしい写真ですネ♪ ただし、これは当時の宣材写真だったようで、こんなシチュエーションのシーンは、残念ながら劇中には一切登場しません。
「怪物」が出てこないうえに、男爵さまも、他の作品に比べると、ずっと温和な感じ(相変わらず無愛想ですが)に描かれていて…確かに強烈なインパクトに欠ける作品であることは否めません。もちろん、古い時代の作品だけに、殺害シーンや手術シーンなどに、直接的な描写は一切なし…。テレンス・フィッシャーの作品にしては少々眠い展開ですが…「マッド・サイエンティストの物語」ではなく、あくまで「不幸な娘の悲恋と復讐の物語」として見れば、それなりに良い雰囲気が出ているように思います。クリスティーナがハット・ボックスの中に、愛しいハンスの生首を入れて持ち歩いている…という設定も、なかなか泣かせるじゃないですか (>_<)/(←そ、そうかなぁ…) しかも、復讐を果たした彼女が悲劇的な最期を遂げるラストでは、思わずうろたえてしまう男爵さま…。研究一筋の冷徹で感情をもたないハズの天才科学者が、ほんの一瞬だけ人間味のある意外な一面をのぞかせてしまう…という、男爵さまファンにはたまらんシーンもありますヨ♪
男爵さまの研究内容をまるで理解できないまま、実験に協力させられているヘルツ医師(ソーリー・ウォルターズ)も、なかなかいい味出していて(アル中か!?)…表情一つ変えずに難解な理論を淡々と語る男爵さまと、まったく会話が成立していないところなんかは結構笑えます (^ー^*)/
![]() | フランケンシュタイン 死美人の復讐 ピーター・カッシング (2002/12/06) エスピーオー この商品の詳細を見る |
■フランケンシュタイン 死美人の復讐 (FRANKENSTEIN CREATED WOMAN)
・1967年/イギリス
・監督: テレンス・フィッシャー
・製作: アンソニー・ネルソン=キーズ
・脚本: ジョン・エルダー
・キャスト: ピーター・カッシング、スーザン・デンバーグ、ロバート・モリスほか




